> お知らせ > 不妊治療の費用、年末までに確認しておきたい医療費控除の基本

不妊治療には、診察や検査、薬など、さまざまな費用がかかります。1年間に支払った医療費が一定額を超えたときは、医療費控除を申告できる場合があります。

「控除」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、年末までに領収書などをまとめておくと、翌年の確定申告に役立ちます。まずは、制度の基本を見ていきましょう。

医療費控除ってどんな制度?

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えたときに、所得税などの計算で、所得から一部の金額を差し引ける制度です。

所得は、簡単にいうと「収入から必要なものを差し引いた、税金を計算するときのもとになる金額」です。医療費控除を受けるには、基本的に確定申告が必要です。医療費を払えば自動でお金が戻る制度ではありません。 www.nta.go.jp

対象となるのは、その年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費です。たとえば、2026年中に支払った医療費は、2026年分としてまとめます。まだ支払っていない費用は、支払った年の対象になります。 www.nta.go.jp

 

不妊治療の費用も対象になる?

国税庁は、医師による不妊症の治療費や人工授精の費用を、医療費控除の対象として案内しています。治療内容や支払いの内容によって判断が異なることもあるため、迷う費用は国税庁や税務署に確認しましょう。 www.keisan.nta.go.jp

通院のために使った電車やバスの運賃も、診療を受けるために直接必要な費用であれば対象になる場合があります。日付、通院先、区間、金額をメモしておくと、あとで整理しやすくなります。

一方、自家用車のガソリン代や駐車場代は対象になりません。タクシー代も原則対象外ですが、電車やバスを利用できない場合など、事情によって対象になることがあります。 www.nta.go.jp

 

いくらを超えると申告できる?

1年間に支払った医療費から、医療費を補うために受け取った給付金などを差し引きます。さらに、原則10万円を差し引いた金額が、医療費控除額の目安です。

ただし、総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく、総所得金額等の5%を差し引きます。控除額には上限があります。 www.nta.go.jp

例:医療費を30万円支払い、給付金を5万円受け取った場合

ここでは、基準額が10万円の場合で考えます。

  1. 支払った医療費:30万円
  2. 給付金などを差し引く:30万円 − 5万円 = 25万円
  3. 基準額を差し引く:25万円 − 10万円 = 15万円

この場合の医療費控除額は15万円です。ただし、15万円がそのまま戻ってくるわけではありません。所得から15万円を差し引いて税金を計算し直すため、実際に軽くなる税額は、所得などによって異なります。

助成金や保険金を受け取ったら?

高額療養費や、医療費を補う目的で受け取った保険金・給付金などは、対象となる医療費から差し引いて計算します。給付金が、どの医療費を補うものか確認しておきましょう。 www.nta.go.jp

自治体の助成は、制度によって内容が異なります。また、医療費通知に助成分が反映されていない場合もあります。通知に書かれた金額だけで判断せず、実際に窓口で支払った金額や助成の内容も確認しましょう。具体的な扱いが分からない場合は、税務署などにお問い合わせください。 www.nta.go.jp

 

年末までに準備しておくもの

確定申告の時期に慌てないよう、次のものをまとめておくと便利です。

●病院や薬局の領収書

●通院に使った電車・バスの運賃の記録

●医療費通知

●高額療養費、保険金、助成金などの金額が分かる書類

 

確定申告では、通常「医療費控除の明細書」を作成します。領収書を申告時に提出しない場合でも、原則として申告期限などから5年間保管します。申告方法や必要書類は、申告する年の国税庁の案内でご確認お願いいたします。 www.nta.go.jp

 

まずは領収書をまとめるところから

医療費控除を受けられるかどうかは、1年間の医療費や給付金、所得などによって変わります。まずは年末までに、領収書や通院費の記録をまとめておきましょう。

申告の対象になるか迷ったときは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や税務署で確認できます。

※この記事は医療費控除の一般的な仕組みを紹介しています。個別の費用が対象になるか、申告方法などの詳細は、国税庁や税務署にご確認ください。