> お知らせ > FCH 妊活世代ライフデザインレポート2026

調査の背景

不妊治療について調べると、治療方法や費用・保険適用に関する情報が多く見つかります。しかし実際に治療を始めると、向き合うことになるのは治療そのものだけではありません。

仕事との両立や経済的な負担・利用できる制度・今後の生活について考える場面も増えていきます。

すべてを一度に決める必要はありません。まずは今の自分に必要な情報と相談先を知ることが、負担を整理する第一歩になります。

 

今回FCHでは、掲載クリニックの医師を対象にアンケートを実施しました。日々患者様と向き合う医師の回答から、治療を受ける方を取り巻く不安や情報ニーズを考えます。

 

調査結果

1.通院されている患者様は35~39歳が中心

今回、回答のあったクリニックでは、通院患者様の中心は35~39歳でした。この年代は治療に加えて、仕事での役割や家族のこと、今後の生活について考える機会も増える時期です。治療の選択だけでなく、生活全体とのバランスに悩む方も少なくないと考えられます。

 

2.仕事と治療成功率への不安

患者様が抱える不安として多く挙げられたのは「治療成功率」と「仕事との両立」でした。このほか「年齢」や「治療期間」への不安もみられます。治療の結果を心配しながら、仕事や今後の生活についても考えなければならない難しさがうかがえます。

治療がうまくいくのか・いつまで続くのか・仕事を続けられるのかといった不安は、それぞれ別の問題ではなく重なり合っています。

 

不安がいくつもあるときは、すべてを一度に解決しようとせず、「今いちばん困っていること」を一つ選んでみてください。治療内容は医療機関、勤務の調整は職場、お金や制度は自治体や保険者など、悩みを分けることで相談先も見つけやすくなります。

 

 

3.助成金情報への高い関心

経済的な不安の中では、不妊治療費への関心が特に高い結果となりました。不妊治療の一部には公的医療保険が適用されますが、治療内容や検査、薬、先進医療の利用などによって実際の負担は異なります。

 

費用が心配なときは、治療を始める前や治療方針が変わるタイミングで、次の点を確認しておくと安心です。

●医療機関で、保険診療と自費診療の範囲や費用の目安を確認する

●お住まいの自治体で、不妊治療や先進医療に関する助成制度を調べる

●高額療養費制度について、加入している健康保険の窓口へ確認する

 

FCHの「助成金検索」では、全国の自治体などが実施する助成制度を紹介しています。お住まいの地域の制度を確認することから始めてみてください。

 

4.悩みに合った相談先を知っておきましょう

診察室では、身体の状態や治療方針についての相談が中心になります。そのため仕事や家計、制度などの悩みは、困っていても相談されにくいことがあります。次の表を目安に、内容に合った窓口を選んでみてください。

 

5.必要なときに考えられるライフプラン支援

調査では、制度情報や家計情報・将来設計をまとめて確認できる支援が役立つという意見が多く寄せられました。

 

一方で治療中は、「妊娠できるのか」という不安が大きく、その先まで考える余裕がないこともあります。ライフプランは、今すぐ将来を決めるためのものではありません。仕事をどう続けるか、治療にどのくらい費用をかけるか、どの制度を利用できるかなど、必要なことから少しずつ整理するためのものです。

 

 

まずは治療の見通しと費用を確認し、利用できる制度や職場の仕組みを調べる。そのうえで、パートナーや専門家と相談したいことを整理する。このように小さな段階に分けると、今後の暮らしを考えやすくなります。

今回の調査から見えてきたこと

今回の調査から見えてきたのは、不妊治療に関する不安が医療だけでは完結しないということです。治療のことは医療機関へ、仕事のことは職場や労働相談窓口へ、制度のことは自治体や保険者へ相談できます。

どこへ相談すればよいか迷ったときは、自治体の「性と健康の相談センター」など、地域の相談窓口を入口にする方法もあります。必要な情報を一度に集めるのではなく、今の悩みに合う支援から利用してみてください。

 

FCHから

FCHでは今後も医療現場の先生方の声を伺いながら、不妊治療の保険適用や助成制度、仕事との両立など、治療と生活の両面に役立つ情報を分かりやすく届けてまいります。

 

ご協力いただいた医療機関

うすだレディースクリニック

梅ヶ丘産婦人科

杉山産婦人科

高崎ARTクリニック

Noah ART Clinic武蔵小杉

広島HARTクリニック

ファティリティクリニック東京

真島クリニック

※医療機関名は五十音順です。

ご多忙のなか、貴重なご回答をお寄せいただいた先生方に心より御礼申し上げます。