【コラム】不妊治療で使われる薬をわかりやすく解説💊
今回は、不妊治療でよく使用される代表的なお薬について、それぞれの役割をわかりやすくご紹介いたします。
排卵誘発剤(排卵を促す薬)
排卵がうまく起こらない方や、より良い卵胞の発育を目指す場合には、排卵誘発剤が使用されます。排卵障害のある方だけでなく、人工授精(AIH)や体外受精(IVF)で複数の卵胞を育てる目的で使われることもあります。
クロミッド(クロミフェン)
もっとも広く使用されている排卵誘発剤です。
脳に働きかけて女性ホルモン(FSH・LH)の分泌を促し、排卵をサポートします。
こんな方に使われることがあります。
・排卵が起こりにくい
・タイミング法
・人工授精(AIH)
副作用
のぼせ、頭痛、子宮内膜が薄くなることがある、頸管粘液が減ることがある
レトロゾール(フェマーラ)
近年、使用される機会が増えている排卵誘発剤です。
もともとは乳がん治療薬ですが、不妊治療では排卵誘発薬として使用されています。クロミッドよりも子宮内膜への影響が少ないとされ、患者さんの状態に応じて選択されます。日本でも生殖補助医療での使用が承認されています。
こんな方に使われることがあります。
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
・クロミッドが合わなかった方
・体外受精
排卵のタイミングを整える注射
hCG注射
卵胞が十分に育ったタイミングで行われることが多い注射です。
排卵を促す「最後のひと押し」の役割があり、タイミング法・人工授精・体外受精などで排卵日を調整する目的で使用されます。
黄体ホルモンを補う薬
排卵後は「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が分泌されます。
このホルモンは、受精卵が着床しやすい子宮内膜を維持する大切な役割があります。
体外受精では黄体ホルモンが不足しやすいため、補充療法が行われることが一般的です。
ルトラール
黄体ホルモンを補う代表的なお薬です。
目的
・子宮内膜を整える
・着床しやすい環境を維持する
・妊娠初期の黄体ホルモンを補う
副作用
眠気、胸の張り、吐き気、便秘
※妊娠初期症状と似ていることもあります。
エストラーナテープ・ジュリナ
これらはエストロゲン(卵胞ホルモン)を補うお薬です。
特に凍結胚移植(ホルモン補充周期)では、子宮内膜を厚く育てる目的で使用されることがあります。日本でも生殖補助医療でのホルモン補充周期に用いられています。
注射薬(FSH・hMG製剤)
体外受精では、複数の卵胞を育てるために自己注射を行うことがあります。
代表例
・ゴナールエフ
・フェリング製剤
・HMG製剤
患者さんごとに年齢やAMH、治療方針に合わせて薬の種類や量が調整されます。
服用中に気をつけたいこと
薬は自己判断で中止したり、飲み忘れを放置したりせず、必ず医師の指示どおりに服用しましょう。
また、副作用が気になる場合や体調に変化があった場合は、我慢せずにクリニックへ相談することが大切です。
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