> お知らせ > 【不妊治療体験談】こーちゃん様*「卵巣が梅干しのようにしぼんでいる」と言われた私が母になるまで

こーちゃん様に不妊治療体験談をお聞かせいただきました!

スタッフ:不妊治療の経歴を教えてください。

35歳頃に上皮内癌と診断され、医師からは出産は難しいかもしれないと言われました。
術後1年間は、たとえ妊娠しても後遺症の影響で受精卵が育つ環境が整っていないため、妊娠継続は難しいと説明され、治療に専念しながら我慢の期間を過ごしました。その後の検査では、卵巣が「梅干しのようにしぼんでいる」と言われ、大きなショックを受けました。
気づけば生理も止まっており、そこからホルモン療法を開始しました。注射や飲み薬を継続し、まずは生理を起こすことからのスタートでした。
その後もなかなか妊娠には至らず、県立病院から不妊治療専門クリニックを紹介され、タイミング法、人工授精、体外受精と段階的に進みました。治療開始から約1年半後に一度妊娠するものの着床せず流産。
その4か月後に再び着床し、39歳で妊娠に至りました。

スタッフ:不妊治療を始めたきっかけは何ですか?

35歳で上皮内癌と診断され、「今後妊娠は難しいかもしれない」と言われたことが大きなきっかけです。妊娠・出産を望むのか、それとも夫婦2人の人生を選ぶのか、自分のこれからの生き方について真剣に考えることになりました。その中で、可能性があるなら挑戦したいという思いが強くなり、不妊治療に進む決断をしました。

スタッフ:総額費用はいくらぐらいでしょうか?

100万円ほどです。

スタッフ:不妊治療をしていて辛かったことはありますか?

とても辛かったです。
もともと夫婦間での性交渉はほとんどなく、妊娠を目指すというより「出産できる体に戻す」ために、ただひたすら薬を飲み、注射に通う日々でした。
やがて治療は自宅で自分自身で注射を打つ段階へと進み、孤独を強く感じるようになりました。
子どもができないのは自分のせいだと現実として受け止めざるを得ず、涙があふれる日々もありました。

仕事では体調不良を理由に通院を続ける日々で、周囲に本当のことを言えない孤独もありました。

また、SEXレスの状態で妊娠を目指すことへの違和感や虚しさもあり、夫婦間で気持ちがすれ違うことも多く、喧嘩になることもありました。自分の体が思うように機能しないことを突きつけられるようで、精神的にも大きな負担でした。
夫は責めることも寄り添うこともなく、淡々としているように感じられ、それもまた寂しさにつながっていました。

スタッフ:パートナー様やご両親、ご友人、職場の方々との関係はどのような感じでしたか?

夫との関係は複雑でした。SEXレスの中でも何とか幸せを見つけたいと思って始めた治療でしたが、根本的な関係性は変わらず、心の距離を感じることもありました。義母からの何気ない「子どもは?」という言葉にも傷つきながら、夫はそれを特にフォローすることもなく、ひとりで耐えることも多かったです。

一方で、実の両親はとても温かく見守ってくれ、体調を気遣ってくれていたことが大きな支えでした。

友人や職場には不妊治療のことは話さず、上皮内癌以降の体調不良という形で通していました。そのため、周囲との距離感は一定に保ちながらも、どこか孤独を感じる場面もありました。

スタッフ:これから不妊治療を始める方へのアドバイスはありますか?

何よりも大切なのは、パートナーが心の支えになってくれることだと思います。
治療はどうしても女性の体に負担が集中し、心身ともに疲れてしまうのは自分自身です。痛みや苦しさを完全に分かち合うことは難しいかもしれませんが、寄り添う姿勢や安心できる関係性があるかどうかで、その後の気持ちは大きく変わります。
肩を寄せ合い、手を取り合い、ときには触れ合いながら、お互いの存在を感じられること。それがあるだけで、治療のつらさは少し和らぐのではないかと思います。

スタッフ:改善して欲しい点はありますか?(例:クリニックにこうしてほしい、治療をしながらもっと自由に働ける職場がほしい等)

職場に対して正直に話せる環境づくりがとても重要だと感じます。
不妊治療は「体調不良」とは異なり、将来に関わる大切な医療行為の一つです。それにもかかわらず、現状では隠さざるを得ないケースが多く、働く側の負担になっています。
また、出産する・しないという選択は人それぞれであり、その価値観も尊重されるべきです。不妊治療に関しても、産休や育休と同じように制度として整えられ、利用する人もしない人も不公平にならない仕組みが必要だと思います。双方の理解があってこそ成り立つものだと感じています。

スタッフ:不妊治療の保険適用についてどう思われますか?(期待や改善点等あれば)

費用が高額になりやすい不妊治療において、保険適用は非常に望ましい制度だと思います。ただし、途中で治療方針が変わったり、治療を終了するケースもあるため、医療保険については不妊治療に限らず婦人科系全体に柔軟に使える仕組みがあると、より安心して治療に向き合えるのではないかと感じます。

スタッフ:プレコンセプションケアについてどう思われますか?

とても良い取り組みだと思います。妊娠を望む・望まないに関わらず、自分やパートナーの体について正しく知ることは大切ですし、それをオープンに話せる社会になることも重要だと感じます。こうした知識が広がることで、将来の選択肢が増えたり、家族で話し合うきっかけにもなるのではないかと思います。

スタッフ:自由回答(思うこと・お伝えしたいこと)

現在、子どもは11歳になりました。不妊治療の末に授かったこの子の存在が、あの頃の寂しさや辛さから私を救ってくれました。そして、大きな幸せを得ると同時に、不毛だった関係にも一区切りをつけることができました。今は穏やかな気持ちで日々を過ごしています。

本来、不妊治療は夫婦二人で幸せをつかむための取り組みだと思います。続けるかやめるかに関わらず、お互いを大切に思える関係であってほしいと感じています。

貴重な体験談をご共有いただき、誠にありがとうございます。

インタビュイープロフィール