【コラム】不妊治療の保険適用まるわかりガイド(2025年版)
🌸 はじめに
2022年4月にスタートした「不妊治療の保険適用制度」。
経済的な負担を軽くし、治療を考えるご夫婦にとって大きな支えとなりました。
しかし、制度が始まって3年が経った今でも、
「どこまでが保険?」「年齢制限って?」「費用はどれくらい?」
といった疑問の声はとても多く聞かれます。
本記事では、2025年の最新情報として、不妊治療の保険適用のポイントをやさしく整理しました。
初めて治療を検討する方にも、すでに治療中の方にも役立つ内容になっています。
1.保険適用の対象となる治療
保険適用で受けられるのは、妊娠をサポートする幅広い治療・検査です。
● 主な対象
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体外受精(IVF)
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顕微授精(ICSI)
-
タイミング法(指導含む)
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人工授精(AIH)
-
不妊原因の検査(ホルモン検査・超音波など)
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手術治療(卵管・子宮の異常への処置など)
大きなポイントは、高度生殖医療も保険適用の範囲になったこと。
これにより、治療の選択肢が広がり、安心してステップアップできるようになりました。
※保険適用を受けるには、医療機関が「保険医療機関」として登録されている必要があります。
2.年齢制限と回数制限の基準
制度開始から変更はなく、2025年も以下の基準が適用されています。
● 治療開始時の女性の年齢
-
43歳未満で開始した治療が対象
(43歳の誕生日の前日まで)
● 胚移植の回数制限(1子ごとにカウント)
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40歳未満:6回まで
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40〜42歳:3回まで
“1子につき”カウントがリセットされる点は、意外と知られていないポイントです。
3.自己負担はいくら?代表的な費用の目安
保険適用されると、患者負担は 3割 になります。
● 主な治療の自己負担額の目安
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採卵:3〜6万円
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体外受精(IVF):6〜10万円
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顕微授精(ICSI):8〜12万円
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胚移植:3〜6万円
薬剤の種類や処置内容によって変動がありますが、
自費時代と比べると費用負担は大幅に軽減されています。
● 保険適用でも注意したい費用
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凍結胚の保管料(自費)
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特殊検査・特殊技術は先進医療または自費
-
男性不妊の一部検査は保険外の場合あり
4.先進医療との併用はできるの?
結論:できます。
● 先進医療とは
保険診療と組み合わせて行う、国が認めた高度な技術のこと。
その技術部分は 全額自費 ですが、
採卵・培養・移植などの基本部分は 保険(3割負担) で受けられます。
● 主な先進医療の例
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タイムラプス培養
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精子選別(スパームセパレーター など)
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ERA/EMMA/ALICE
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PICSI
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特殊な凍結・融解技術 など
先進医療はクリニックごとに提供状況が異なるため、事前の確認が大切です。
5.自治体の助成金制度(2025年)
保険適用だけでは足りない部分をカバー。
保険適用後も、多くの自治体が独自に助成を行っています。
● よくある助成内容
-
高度不妊治療の自己負担金の補助
-
男性不妊治療(手術)の助成
-
検査費用の一部補助
-
若年層向けの妊活検査(プレコン)補助
など
自治体によって内容が大きく異なるため、必ず最新情報を確認しましょう。
FCHの「不妊治療助成金検索」をぜひご活用ください。
6.クリニック選びのポイント
不妊治療ではクリニック選びが重要です。
今年特に押さえたいポイントはこの3つ。
① 保険診療・先進医療どちらも実績があるか
→ 治療の幅・提案力に直結。
② 説明の丁寧さ・医師やスタッフとの相性
→ 長期の通院だからこそ安心感が大切。
③ ライフスタイルに合う通院しやすさ
→ 予約の取りやすさ、通院距離、診療時間などをチェック。
7.まとめ(2025年版のポイント)
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年齢・回数制限は制度開始時から 変わっていない
-
高度不妊治療も保険適用で3割負担
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先進医療と併用する場合の「自費部分」に注意
-
凍結胚の保管料や一部検査は保険外
-
自治体助成を活用すると負担がさらに軽く
-
クリニック選びが治療の満足度を大きく左右する
🌸 おわりに
不妊治療の保険適用制度は、治療のハードルを大きく下げ、
多くの人が自分らしい選択をできるよう後押ししてくれる仕組みです。
一方で、治療は医学的にも心理的にも負担を感じやすいもの。
FCHでは、医師インタビュー、自治体情報、体験記事など、
一人ひとりの「知りたい」に寄り添う情報をこれからもお届けしていきます。
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