【院長インタビュー】加藤レディスクリニック――「妊娠する力を活かす治療」で、自然に近い妊娠を目指す
院長
加藤 恵一
患者様一人ひとりの“からだの力”を信じる加藤レディスクリニックの加藤院長にお話を伺いました✨
院長先生が掲げていらっしゃる理念について、特に大切にされているポイントを教えてください。
当院の理念は『妊娠する力を活かす治療』です。すべての方には本来、妊娠するための力が備わっています。私たちはその力を妨げないよう、必要最小限の介入で治療を進めることを心がけています。患者様へのアプローチでは過剰な負担を避け、こちら側の診療としては細部まで注意を払いながら丁寧に対応します。これにより、自然な妊娠力を最大限に引き出すことを目指しています。
「365日診療」「朝8時からの診療開始」「土日祝も対応」といった体制を実現する背景や工夫をお聞かせください。
低卵巣刺激の治療では排卵のタイミングが重要であり、自然排卵や移植のスケジュールに柔軟に対応する必要があります。そのため365日診療を行い、患者様に最適な時期を逃さない体制を整えています。また、人員配置にも工夫し、採用段階から『土日祝も診療を行う病院』であることを明示しています。スタッフが無理なく勤務できるようシフトを組むことで、理念を実現しています。
「最小限のお薬で患者様の妊娠する力を活かす治療」とは、具体的にどのようなアプローチでしょうか。
患者様の状態を丁寧にモニタリングし、必要最小限のお薬だけを使用して治療を行います。胚移植も可能な限り自然排卵周期で行い、ホルモン補充周期に頼らない方法を取り入れています。こうした工夫により、患者様が本来持つ妊娠力を阻害せず、自然に近い形で妊娠を目指すことができます。
PGT-A/PGT-SR(着床前遺伝学的検査)の導入背景や実績について教えてください。
当院は以前からPGT(着床前遺伝学的検査)の研究や実施に携わってきました。転座や逆位といった構造異常を持つ患者様への検査経験もあり、日本産科婦人科学会のパイロットスタディにも参加しました。現在は対象範囲が広がり、従来は対象外だった患者様にも検査が実施できるようになっています。これにより流産を繰り返す方へのサポートにもつながっています。
採卵・胚培養におけるこだわりについてお聞かせください。
採卵では、細い針を用いることで出血や感染のリスクを低減し、患者様の身体的負担を軽くしています。胚培養では単に受精させるのではなく、発育のタイミングを細かく観察して判断します。さらに、独自の評価基準とAI技術を組み合わせ、質の高い培養環境を提供しています。
保険診療と自費診療の違いについて、患者様にとって重要なポイントは何でしょうか。
大きな違いは費用負担です。治療技術の大部分が保険診療でカバーされている中で、あえて自費診療を選ぶ際には、費用がかかる分、それだけの価値や意義があるのかを十分に説明を受け、ご理解いただくことが大切です。特にPGT-Aなどは自費になりますが、流産を繰り返す患者様にとっては妊娠継続の可能性を高める選択肢になり得ます。
助成金制度の活用について具体的なケースがあれば教えてください。
患者様から『助成金を申請したいがどうしたらいいか』というご質問を受けることが多いです。自治体によっては先進医療部分が助成される場合があるので、事前に確認されることをお薦めします。特にがん患者様が妊孕性温存のために卵子・精子凍結を希望される場合はすべて自費ですが、自治体の助成制度を活用できるケースもあります。そのような場面では制度の案内やサポートを行っています。
相談外来や看護師相談の役割について教えてください。
医師には聞きづらいことでも看護師には相談しやすいことがあります。そのため、相談外来を設け、看護師が対応できる範囲でお話を伺い、必要に応じて医師へつなぐ体制を整えています。安心して治療に臨んでいただくためのサポートです。
印象に残っている患者様の声やエピソードはございますか?
他院でなかなか結果が出なかった患者様が、当院に来られて比較的早い段階で妊娠されたという事例はとても印象に残っています。患者様が本来持つ『妊娠する力』を大切にしてきた当院の理念が正しかったと実感する瞬間でもあります。
今後、挑戦したいテーマや計画中のプロジェクトはございますか?
具体的なテーマは未定ですが、現在進行形で大学や企業との共同研究、海外との協力を進めています。特に中国をはじめとするアジア地域での病院設立に取り組んでおり、文化や言語の壁を越えて治療を提供できる体制づくりを進めています。
不妊治療の保険適用拡大後の課題について、どのように感じていらっしゃいますか?
制度面では、40歳以上の方の治療回数制限を見直し、39歳以下と同様に6回に緩和していただけるとチャンスが広がるのではと感じています。技術面では、先進医療は今後保険に取り入れられるものもあれば脱落するものもあると思いますので、柔軟な対応をしていく必要があります。
社会的認知に関しまして、保険適用自体は浸透しましたが、『39歳以下と40歳以上で回数制限が異なる』点については十分に知られていません。こうした情報を広める上で、専門サイトの役割は非常に大きいと思います。
以前は「最後の砦」として患者様が訪れることが多かった当院ですが、現在は若い方も早い段階から足を運んでくださるようになり、患者様の年齢層の変化を感じています。
また、『自然周期』という言葉が誤解されやすく、お薬を全く使わないと思われることがありますが、実際には患者様一人ひとりに合わせて必要最小限のお薬を使いながら治療を行う方法です。この正しい理解を広めることは我々にとって重要です。
治療を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
当院ではセカンドオピニオン外来を設け、治療を検討中や治療中の方をサポートしています。治療方針の見直しは大切ですが、頻繁に変えることは望ましくありません。当院では基本を大切にしながら、患者様ごとの状況に合わせてカスタマイズした治療を提供しています。安心してご相談いただける環境を整えていますので、どうぞお気軽にご来院ください。
加藤レディスクリニックでは、患者様一人ひとりの「妊娠する力」を大切に、 からだにやさしい治療が行われています。 自然の力と医療の力、その両方を活かした治療方針が印象的でした。 今回、インタビューにご協力いただきありがとうございました✨
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