
「不妊治療を経て2人の母に」― FCH公式アンバサダー サキ吉さんが語る希望と学び
FCH公式アンバサダー
サキ吉
結婚後、なかなかお子さまを授かることができず、不妊治療に踏み出されたサキ吉さん。 幾度もの治療や葛藤を乗り越え、先日第二子をご出産されたばかりで、母として新たな日々を歩んでおられます。 今回はFCH公式アンバサダーとして、不妊治療を通じて得られた経験や学び、そして未来への想いをお伺いしました。
不妊治療を始めたきっかけと、その当時の心境を教えてください。
結婚後、なかなか子どもを授かることが出来ず夫婦で産婦人科に検査に行ったのがきっかけでした。
夫の数値が悪くとてもショックだったのを覚えています。
なかなか授かれない自分と比較してSNSで友達の妊娠報告を見る度に落ち込むくらいにはメンタル面も辛かったです。
ご自身が受けた治療(タイミング法・人工授精・体外受精など)について、どのような選択をされましたか? それぞれのステップでの心境を教えてください。
最初は家の近くだった産婦人科でタイミング法と人工授精をセットで行い、6回繰り返しましたが授かれず。
この時が1番辛かったのを覚えています。
数値はなかなか改善しないし、夫婦でスケジュールを合わせるのも負担で、リセットが来る度に泣いていました。
人工授精も当時は自費だったので金銭面的にも負担でした。
その後、杉山産婦人科 新宿院に転院して体外受精を試みたところ、第一子は1回目で妊娠に至りました。
採卵も大変だし胚盤胞までの過程は毎日とても緊張していました。
お金も高額だったし結果に一喜一憂して大変なことも多かったけれど、
体外受精のおかげで第一子も第二子も授かることが出来ました。
体外受精や採卵の際、医師との意思決定で印象的だったやりとりや悩んだことはありましたか?
第二子の体外受精の際、胚盤胞を2回戻したのですが全く着床せず落ち込んでいました。
その時に医師から言われた、「4ABなどの数値は見た目の評価だから、染色体のせいで着床出来なかったのかも。こればかりはPGTAしないかぎりは運だから、あまり悩まない方が良い。出来ることをしていきましょう」というやりとりが印象的でした。
見た目だけの評価ということを知らなかったし、評価が良いたまごを戻したのに自分のせいで着床しないと思い、負い目を感じていたのでこのやり取りに助けられました。
その後は気持ちを切り替えてできることを淡々とこなしました。
ホルモン治療や自己注射など、具体的な処置の中で負担が大きかったこと、工夫していたことがあれば教えてください。
ホルモン治療のせいで太りやすくなっていたのですが、メンタル面が不安定で負担になるのでこの時期は特に体型に関して気にしないようにしていました。
食べたいものを食べてストレスがたまらないようにしていました。
また、パートナーの協力は絶対だと思います!!いつもより感情的になりやすいことも事前に伝えて、ケアしてもらっていました。
通っていたクリニックで「これがあって助かった」と感じた医療体制やサポートがあれば教えてください。
第一子の時、不妊治療が保険適用になっていなかったので、第二子で保険適用になったこと自体が助かったと思いました。
また、第二子の不妊治療時、クリニックに行く時にどうしても長女を連れていかなくてはならなくて、一時預かりの保育室があったので助かりました。
不妊治療専門のクリニックはほぼ子連れ禁止なので、このサポートがなければキツかったなと思います。
通院スケジュールと仕事や日常生活の両立はどのようにされていましたか?働きながら治療をする大変さについてもお聞かせください。
私は自営業なので時間にある程度融通が効くので、自分の仕事の予定はずらして通院していました。娘も平日はスクールに通っているのでその時間で予約をとっていました。
しかしながらどうしても不妊治療のスケジュール的に通院が土曜になってしまうこともあり、
その時は産婦人科に併設された保育室に一時預かりをお願いしていました。
治療の進行によってスケジュールが突然決まるので会社員の方や忙しい方にはなかなか大変だなと思います。
最近だと遅くまで長時間空いているクリニックが増えたと聞くので、今後はそういったクリニックのおかげでもっと働く女性にとって通院のハードルが下がるといいなと思います。
妊娠判定が出るまでの待機期間(いわゆるBT期など)や、判定後の経過観察中に気をつけていたことはありますか?
判定が出るまでは気にしてもストレスになるだけで意味が無いので、いつも通り過ごしていました。激しい運動のみ控えていました。
判定後は仕事を少し減らして時間に余裕を持ってゆっくり過ごせるスケジュールにしていました。
ストレスをためないことが1番大事だと思います。
パートナーと一緒に受けた検査・治療があれば、男性側の関与について感じたことを教えてください。
うちは男性不妊が原因だったので、不妊治療=女性の問題と捉えるのは本当にやめて欲しいなと世の中に訴えかけたいです。
原因を調べて二人で解決に向けて前向きに取り組む、という姿勢が大切だなと切に思います。
不妊治療はどう考えても女性側の負担が大きいのでパートナーのサポートは必須です。
メンタルケア、身体的ケア、全てにおいて男性側が気にかけて欲しいです。
治療を進める中で「情報の多さ」に戸惑ったことはありましたか?信頼できる情報源の見極め方やSNSとの向き合い方について教えてください。
ありました。不妊治療中は藁にもすがる思いで検索魔になってしまっていたのを覚えています。
誤情報に惑わされることも多かったので、信頼できる情報源でエビデンスの取れたものだけ参考にしていました。
プレコンセプションケア(妊娠を考える前からの健康管理)について、これから妊活を考える方に伝えたい視点があればお願いします。
女性にとってプレコンセプションケアは本当に大事です。
社会的に活躍しつつも、安心して結婚・出産・育児ができる環境を事前に整えることで、
いざ妊活をしたい、という時にもスムーズに進めることが出来ると思います。
今この記事を読んで頂けた方に、ぜひ調べて欲しいワードです。
私もSNSを通して今後もプレコンセプションケアについて広めていきたいと思っています。
不妊治療を通じて得られた気づきや学びを、同じように悩まれている方々へお伝えしたいと語られるサキ吉さん。 前を向いて歩まれる姿勢や、積み重ねてこられた経験は、多くの方々にとって大きな励ましとなることでしょう。 本インタビューが、妊活や不妊治療に向き合う皆さまの一歩を支えるきっかけとなれば幸いです。

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