> お知らせ > 【不妊治療体験談】maori様*化学流産からの再挑戦―夫と歩んだ不妊治療

maori様に不妊治療体験談をお聞かせいただきました。

スタッフ:不妊治療の経歴を教えてください

総合病院の産婦人科に不妊相談で受診。
妊娠に問題ない身体か検査をし、子宮内膜ポリープが見つかったため手術後、
ポリープを切除したからこれで妊娠できる!と思い込み、タイミング・人工授精するが妊娠に至らず。
失意の中、職場で不妊治療中の方に出会い、その方にクリニックを紹介してもらい、
転院。体外受精アンタゴニスト法に決まり、体外受精教室に通う。
採卵1回目、移植1回目で妊娠に至るが、化学流産。
採卵2回目、移植2回目で妊娠出産に至る。

スタッフ:不妊治療を始めたきっかけは何ですか?

母になるのが夢だったので、絶対子どもを産んで育てたいと思う気持ちは
常にありましたが、32歳で結婚したその頃は仕事中心の日々だったので、
35歳になったら妊活を開始しようと思っていました。
自分が自然妊娠できないなんてその時は考えもしなかったです。
通常に生理も来るし、排卵日を狙ってすればすぐ妊娠できると思い込んでいました。
いざ、妊活開始してみても全く授からず、子宮内膜ポリープが発見され
手術を受けて回復後、タイミングや人工授精も妊娠に至らずで、悩んでいる時に
職場の人から不妊治療で通院している話を聞き、体外受精に興味を持ちました。
高額治療になるので、経済的にも精神的にも折れる不安はありましたが、
高額医療の力を借りてでも、自分の子をお腹に宿し、出産して、
夫と育てたい気持ちが強かったので、やらないで後悔するよりは
挑戦してみようと思いました。

スタッフ:掛かった費用はいくらぐらいですか?

転院したので、通院していた病院2か所の費用を合わせたら150万位です。

❶採卵1回目・移植1回目で妊娠に至った時に不妊治療を頑張った結果が1回目で出て大喜びしたのも束の間、化学流産した時。その事実を告げられた時号泣して
どうやって家に帰ったか覚えていません。

❷通院の度にカードで高額費用を払う時。自然妊娠できる人はこんな高額な費用を払う必要がないのに、私は高いお金を払ってでも妊娠したい欲にしがみついているのは見苦しくて醜いのかもしれないと思ってしまいました。

❸某番組の赤ちゃん生まれましたコーナーがTVで流れ、赤ちゃんを囲んでいる幸せな家族の画を見ながら、私もこうなりたいのになれないかもしれないと不安に襲われた時。絶対自分の子を授かるんだという決意が、現実になるとは限らないのが不妊治療だといつも頭の片隅に留めていましたが、その片隅に留めている考えが片隅ではなく私の頭の中全体に広がっていく感覚に吐きそうになりました。

スタッフ:パートナー様やご両親、ご友人、職場の方々との関係はどのような感じでしたか?

夫は私が体外受精すると言った時、全てに協力してくれました。
義両親も私の母も「不妊治療したいならすればよい」と応援してくれました。
職場はフルタイム勤務だったため退職し、当時は午前中までの勤務の職場に
転職しました。そのおかげで午後からクリニックに通うことができました。
職場には不妊治療中であることを言わなかったです。
産休育休を経て、現在もその職場に勤務しています。
勤務時間も調整できるし、育児に理解ある会社だと思うので、感謝しています。

スタッフ:これから不妊治療を始める方へのアドバイスはありますか?

私のように「生理のある女性はいつでも妊娠できるから、大丈夫」と何の根拠もなく思い込んでいるのは誤りで、今となっては浅はかすぎる考えを持ち続けていたことが恥ずかしくてたまらないです。
妊娠に至り、生まれてくる命がどれだけ奇跡的なことであるか不妊治療を通して理解できました。その奇跡を知った時、涙が止まらなかったです。自分もこの世に生まれてきたことを両親に感謝できます。
不妊治療に入り、タイミングや人工授精等の段階を踏んでいくのが通常だとは思いますが、人工授精が1度だめだったらすぐに体外受精へのステップアップをおすすめします。そのほうが確実に早く妊娠に近づく手段だと思うからです。
不妊治療といえば、まず高額で心が折れ、出口が見える保証もない治療を
続けることになり、精神的にも経済的にもかなりきますが、私は私として生まれた
この一度の人生、どうしても母になりたかったので体外受精に挑戦しないで
人生が終わるよりは、やってみようと決めました。めげる中でも夫や母に助けてもらい、奇跡の妊娠出産ができました。妊娠するのにこれだけ大変だったんだから、我が子への愛情は止まらず、夫や母への日々の感謝もなるべく伝えるようにしています。
私は本当に、体外受精で妊娠できたことがどれだけ幸運で奇跡だったかを、現在も
子育てしながら実感する日々を送っています。

治療中はまず「絶対妊娠して元気な赤ちゃんを産むんだ!」と決意して通院しながら
その次に期間や回数を決めて望むのがいいのではないでしょうか。
考え方は人それぞれだと思いますが、何歳までやるとか、体外受精の回数は
何回までやるか等です。
まず自分が「絶対妊娠して元気な赤ちゃんを産むんだ!」と決意した後、
ここまで治療をしたいと決めて、パートナーやご家族と話合うのがいいと思います。

スタッフ:改善して欲しい点はありますか?(例:クリニックにこうしてほしい、治療をしながらもっと自由に働ける職場がほしい等)

高額な不妊治療費用をカバーする不妊治療保険の充実と、助成金の増額。
治療費が高額すぎて、助成金はあっても不十分な状況だと思います。
国が希望出生率1.8に実現に向けて取り組んでるのは存じておりますが、
助成金の増額や保険適用をもっと充実させてほしいです。

スタッフ:不妊治療の保険適用についてどう思われますか?(期待や改善点等あれば)

私が不妊治療中は保険適用ではなかったので、令和4年4月から体外受精等の
基本治療が全て保険適用になったのはよかったです。
(もっと早く保険適用してほしかったのが本音でもありますが)
現在、保険適用回数の上限や年齢制限がありますが、もっと緩和してもいいのではと思います。そうすればもっと不妊治療にトライする方が増えるのではと思います。制限が緩くなったからまだ治療できる等の心の余裕ができると思うからです。

スタッフ:プレコンセプションケアについてどう思われますか?

聞いたことはありましたが、内容まではわからない言葉だったので調べました。
将来安心安全に妊娠や出産をするためのヘルスケアだそうで、妊娠を望む女性だけではなく、男性も対象なんですね。年齢も10代からだそうで、若い年代から自分の身体を知ることは、健康で幸せな将来に繋がるよい取組みだと思います。
私も若い年齢から取り組むべきだったと、不妊治療を始める時は強くそう思ったからです。

スタッフ:自由回答(思うこと・お伝えしたいこと)

つらく長い道のりになるかもしれない不妊治療ですが、決めるのも止めるのも
自由ですから、あまり思いつめず孤独にならないで周りに相談もしながら
するのがいいと思います。
美味しいものを食べて、お医者様の仰ることを聞いてポジティブに過ごしてほしいです。
どんな結果になっても不妊治療して努力したことは、これからの人生の糧になると
思うので、私は不妊治療に挑戦してみる、してみないをどちらか選択するのなら
してみることを選んでほしいと願っています。

不妊治療体験談募集にご協力いただきありがとうございました!

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