> インタビュー > 【不妊治療当事者様インタビュー】さくら様

Instagramにて情報発信をされている、妊活のための体質改善アドバイザー"さくら様"にインタビューを受けていただきました

スタッフ:不妊治療の経歴を教えてください

28歳でコロナにより延期していた結婚式を無事に終え、妊活スタートしました。
1年ほど自己流で行いましたが、全くうまくいかず、近くの産婦人科へ行き始めました。
タイミング法は行わず、人工受精をすすめられ、半年間6回行いましたが、全くうまくいきませんでした。それ以上人工授精を続けても成功率は下がると言われたので、体外受精をする為に不妊治療専門クリニックへ転院しました。そこで体外受精を行い、1回目で無事に妊娠することができました。

スタッフ:不妊治療を始めてきっかけは何ですか?

結婚が決まった時にブライダルチェックを受けて、AMHの値が低いことが分かりました。なので、妊活を始める時期を早め、上手くいかなければ不妊治療に迷わず進もうと決めていたので、病院に行きました。

スタッフ:不妊治療アドバイザーとしてどのような活動をされていますか?

近所の産婦人科でも、不妊治療専門クリニックでも、卵子や精子の状態や周期、ホルモンバランス等の検査では問題が見つかりませんでした。
まだ20代だったのもあるし、不妊の原因が分からないことに納得がいきませんでした。そこで、検査では分からない私の身体や体質に問題があるのかなと思い、体質改善に努めることで妊娠することができました。そこで原因がわからず、不妊で悩んでいる方を少しでもサポートしたいと思い、アドバイザーとして活動を始めました。

スタッフ:パートナーや両親、友人、職場の人との関係はどのような感じでしたか?

パートナーは言われたことにはきちんと協力してくれました。しかし私のメンタルがボロボロになっていても、特に寄り添ってくれるわけでもなく「なんかイライラしているな」と言う態度でした。女性のホルモンバランスの事や不妊治療中のメンタルの辛さを理解できなかったようです。私は一人で理解してもらえないとイライラしていましたね。

両親には「不妊治療なんてしなくても、自然とできるものじゃないの?」とはじめは理解してもらえませんでした。しかしそれ以降は追求されることもなく、陰ながら応援してくれていました。やっぱり孫が待ち遠しかったようです。その後妊娠報告した時はすごく喜んでくれて、涙を浮かべていました。

友人にはやはり話しにくかったです。SNSを開けると友だちの妊娠、出産、育児の情報が目に入り、メンタルにくるので1年ほどは一切見ないようにしていました。信頼できる親友だけには話をしていました。体調やメンタルをとても心配してくれつつ、応援してくれていました。妊娠報できて報告した時には泣いて「おめでとう」と言ってくれたので、やはり持つべきものは友だちだなと改めて思いました(笑)

職場には話せなかったです。周りは自然妊娠をしている人ばかりだったので、どうしても言いにくかったです。言ってしまうと、可哀想な目で見られるのかなと思ってしまい、有給を取ると不妊治療だと分かり過剰に心配されるのも嫌だなと思い、伝えられませんでした。実際に不妊治療で休むこともあったので、直属の上司にだけ伝えていました。周りの妊娠報告や育休、産休の話はとても辛かったです。

スタッフ:これから不妊治療を始める方へのアドバイスはありますか?

子どもを望んでいるのに、妊娠できないのはとてもとても辛いことです。私も気持ちが痛いほどわかります。なぜ私にだけできないの?と思いますよね。
不妊治療は、医療の力でそんな思いを少しでも前向きに変えてくれます。もちろん金銭的にも精神的にも体力的にも厳しいですが。自己流でなかなかできなくて、辛い思いをしている方は、医療の力を借りて、自分の良くないところを直したり、高度な医療でサポートしてもらったりすると、少しでも早く妊娠できると思います。妊娠を望むすべての方に、授かれることを心より願います。

スタッフ:改善してほしい点はありますか?

不妊治療は本当に金銭面、体力面、精神面が辛いです。もっと周りに理解をしてもらい、優しい社会であってほしいなと心から思います。

具体的にはまず金銭面で言うと、もっともっと国や市町村などから助成してほしいです。一部保険適用になったとは言え、補助が出る地域が一部あるとは言え、自然妊娠の人に比べたらかなり高額です。これが理由で子どもを諦める人も少なくはないと思います。

次に体力面です。私は職場の長に不妊治療のため休職させてほしいとお願いをしたことがあります。しかしそれはできないと言われました。どうして出産育児で休職できるのに、不妊治療では休職できないのか。何度も病院に通わないといけないし、安静にしないといけないと病院では言われるのに、実際には仕事を休めないので、安静になどできません。不妊治療をしている人は、自然にできないから治療をしているのです。自然妊娠出来る人と同じ方法で出来ないから治療をしているのです。それなら不妊治療をしている人には特別な措置があって良いと思います。休みたくても休めない状態が続くと不妊治療を続けていても、いつまでたっても子どもができない人も中にはいると思います。実際私はそうでした。

最後に精神面です。昔に比べたらかなりイクメンが増えているようには見えますが、実際には、中小企業ではまだまだ昭和の風習あり、男性が育児休暇を取得できる企業も少ないです。そうした風潮から、妊活、出産、育児がまだまだ女性中心で行うものと言う考えが根付いているように私は感じます。
妊活は、その人の人生を左右するとても大きなものだと思っています。自然に妊娠できる人、できなくて不妊治療を受ける人の間には、差があるのはおかしいです。できる限り、治療を受けやすい環境体制をより進めて欲しいなと願います。

スタッフ:不妊治療の保険適用についてどう思われますか?

保険適用になった事はとてもありがたいです。しかし、先ほどもお伝えしたように自然妊娠できる人に比べたらかなりお金はかかります。もっともっと自己負担が少なくなるように努めてほしいです。

スタッフ:プレコンセプションケアについてどう思われますか?

とても良い考えだと思います。あまり世の中にはこの言葉が浸透していないので、もっともっと広まってほしいなと思いました。
今回、私が妊娠、出産、育児を通して思った事は、とにかく女性の体の負担が大きすぎるということです。女性の社会進出はとても素晴らしいですが、男性に比べて身体のダメージが大きいので、やはりいつでも休息できる権利が必要です。生理休暇のような、女性のための休暇や休職できるような制度ができることでプレコンセプションケアに繋がると思います。

スタッフ:自由回答

今回、このような私の思いを発信できる機会を作っていただき、大変嬉しく思います。FCHの皆様ありがとうございました。
私は当たり前のように就職し、働きながら、結婚し、子どもができ、仕事を続けていくことができると思っていました。しかし、妊娠が難しく、辛い思いをしていたときに、こんなにも世の中は女性に対して生きづらいのかと驚きました。また妊婦、産後の体がこんなにもしんどいと思いませんでした。仕事に復帰も前と同じように働けるのか分からず怖いです。(現在育児中です)医療が発達していて、物も豊かにあるこの素敵な日本だからこそ、誰もが生きやすい社会になってくれることを心から願います。
この思いを発信できてありがたく思います。
ありがとうございました。

インタビューにお答えいただきありがとうございました!

【不妊治療当事者様インタビュー】さくら様

インタビュイープロフィール

instagram:https://www.instagram.com/sakura._.ninkatsu/