【不妊治療当事者様インタビュー】ぐりこ様*男性不妊を乗り越えて。職場の理解と休暇の壁
Instagramにて自身の妊活情報を発信されている"ぐりこ様"にインタビューにお答えいただきました
スタッフ:不妊治療の経歴を教えてください
2021年入籍、入籍少し前からタイミング法開始。
その中で男性不妊が発覚し、顕微授精のため転院。保険適応を待って高度不妊治療を開始。
始めての採卵で胚盤胞を2個凍結、移植は2回とも陰性。
その後AMHがどんどん下がってしまい、採卵ができなかったり胚盤胞に中々ならなかったりで1年ほど移植にたどりつけず、またおやすみの周期も多く焦っているのに何もできないのが辛く2024年4月に転院。
転院後初の採卵で胚盤胞凍結に至り、現在移植周期。
スタッフ:不妊治療を始めたきっかけは何ですか?
すぐに子どもがほしくて、入籍前からタイミング法を始めていました。はじめに行った病院は「まだ若いからすぐできるよ」とそれすらしてくれず。次の病院ではタイミング法が6回だめなら夫の検査をしましょう、と言われましたが夫が待ちきれず自分で泌尿器科を受診し精液検査を受け、そこで高度乏精子症と診断。初めから顕微授精一択となりました。
スタッフ:掛かった費用はいくらくらいでしょうか?
ずっと保険適応でたぶん70万弱?生命保険と県の助成金で半分ほどは賄えています。
スタッフ:不妊治療をしていて辛かったことはありますか?
初めはフルタイムで働いていて、職場でも治療をオープンにしていました。とても良い人たちで急な休みも協力してくれていましたが、若い女性ばかりの職場で常に誰かが妊婦の状態。自分と比べてしまってとても辛かったです。もう有給も足りなくなってきたので退職に。仕事は嫌いではなかったしいるのも離れるのも辛く、妊娠さえできればこんな思いしなくていいのに、と泣いてばかりでした。
スタッフ:ートナー様やご両親、ご友人、職場の方々との関係はどのような感じでしたか?
みんなにオープンにしていましたが、みんなこちらから言わない限り何も聞いてきません。とても助かりました。
夫は調べたことを試したりはしますがなかなか継続せず…。協力的な姿勢に喜んだと思えばサプリも途中で飲まなくなる、みたいなことを繰り返してとてもイライラしました。
でもプレッシャーもかけられないし、看護師さんが顕微授精だから1匹いればいいやって気持ちでね!と言われたのでもうそう思うようにしています。笑
スタッフ:これから不妊治療を始める方へのアドバイスはありますか?
喧嘩も増えたりするかもしれませんが、
旦那さんと仲良く過ごせる日々がとても大事だなと私は実感しています。あまり気負わず、旦那さんのことも自分のことも責め過ぎず許しながら頑張ってほしいです。
スタッフ:改善してほしい点はありますか?
不妊治療連絡カードで、職場で休みをいつでもとっていいという融通はきかせてもらえてとても助かりましたが、結局お休みは足りなくて...あのカードの効力がもっと何かあればと思います。不妊治療休暇がある職場はまだ中々ないと思うので。
スタッフ:不妊治療の保険適用についてどう思われますか?
タイムラプスなど、卵の負担を軽減できるものから徐々に保険適応範囲が広がればいいなと思います。
スタッフ:プレコンセプションケアについてどう思われますか?
妊娠だけでなく、身体を気遣うことは将来にとてもいい影響があると思うのでこの言葉がもっと広まればいいなと思います。
スタッフ:自由回答(思うこと・お伝えしたいこと)
私はもともと子どもが好きで、結婚したら延長線上に子育てもあると当たり前に思っていて、夫もそうだったのだろうと思います。こんなに苦労するとは思っていませんでした。
不妊治療するなんて思ってなかったし、体外受精するなんて思ってなかったし、
顕微授精になっても2年も授かれないとは思っていませんでした。
でもたくさん喧嘩したり泣いたり、自分たちしかわからないなっていう気持ちを共有したり、夫婦として大事な経験をしていると感じています。
こんな辛い思いはしないに越したことはないけども、これがなかったら自分たちはここまで仲良くお互いの理解を深められてなかったかも…と思うので無駄ではないなと。
大変なことには変わりないけど赤ちゃんが来てくれるまでのこの治療期間を大事に過ごしてほしいです。