もっと不妊治療に取り組みやすい世の中に
セントマザー産婦人科医院 院長
田中 温
セントマザー産婦人科医院である田中 温先生に当サイトFCHがお話を聞きました。
スタッフ:Q、 まず、4月から施行されました不妊治療保険適用についての率直なご意見をお尋ねいたします。
私の念願だった保険適用がいよいよ始まり嬉しいです。
スタッフ:保険適用について患者様からのご意見はどのようなものがありますか?
治療をされる方々で若い方が非常に増えました。新たに取り組まれる方には、保険適用のための同意書などの説明がありますが、保険適用になって良かったという方が多く、質問もそれに沿ったものになっています。
「着床前診断はなぜ保険じゃないのか」「凍結した精子はなぜ保険適用でないのか」という質問もありますが、厚生労働省が丁寧に答えてくれていて情報は色々と共有できていますので、各クリニックでもしっかり説明できていると思います。
スタッフ:数ある科の中で産婦人科を専攻された理由をお聞かせください
父と兄が産婦人科医であることが一番でしたが、「発生学(=胚がどのように発生するかの研究)」への探求というものもありました。人間が生まれてくる間には、両生類や爬虫類や哺乳類、全てのものが個体形成する中で人類として進化していくという過程があるのですが、その過程に対する学問的な探求も産婦人科を選んだ理由です。
スタッフ:不妊治療をお受けになられる患者様へ向けてご配慮されている事等ございましたらお聞かせください
保険適用になるにはどういう条件か、どういう範囲であるかなどの説明をしっかりするようにしています。
私の患者さんの場合、遠隔治療も多いのですが、ところが今の保険適用の中に遠隔治療についての概念があまり入っていない。遠隔治療は遠くから通ってくる方達を対象としています。例えば、注射は、今までは遠くから来るのが大変なので患者さんに送っていましたが、送ると保険ではなく自費になってしまうので、1回来てもらわないといけません。ですので、北海道の方で来るのが大変な方は、北海道で信頼できる先生を見つけて、その先生に患者さんからこういう内容で注射を打ってくださいという紹介状を持って行って、了解してくれれば保険で出来ます。
ご協力いただける先生は日本各地におられます。
スタッフ:弊社運営のポータルサイトへのご要望等ございましたらお聞かせください
様々なサイトがある中で厚労省や議員連盟、特に保険適用に尽力された菅義偉前総理大臣をはじめ野田聖子先生、甘利明先生、何よりも必死で奔走してくださった和田政宗議員のとの繋がりを大事にし、行政に反映できるように患者さんの意見、ユーザーの意見を届けて欲しいと思います。