> インタビュー > 『数年後の未来、多くの不妊治療当事者が笑顔で子供を産めるように』~2~

『不妊治療の保険適用という快挙』~1~の続きです。

スタッフ:不妊治療に携わっていらっしゃる中で、喜びを感じられるのはどんな時でしょうか?

40年間ずっと生殖医療をやってきて何度も何度も流産を繰り返されたり、妊娠を望みながらもできなくて何年もの時間を費やされた方が、お子さんに恵まれるということは私にとって非常に大きな喜びです。うれしい思い出も悲しい思い出も一杯あります。全く残念ながら不妊治療を10年くらいやりながらも一人のお子様にも恵まれなかったという方もお見えになります。そういった方も二人でパートナーでポスト不妊治療を考えていくかというのが凄く大事なことだと私は考えています。一人でも多くの方に子供を作りたいというのが私の夢でしたから、今まで携わってこられたことに感謝しています。

スタッフ:最後に弊社運営のポータルサイトへのご要望がございましたらお聞かせください。

今は一回のお金は少なくて済んでるんですけど、例えばトータルで見た場合に、2年3年の不妊治療をした場合にどれくらいの支出になったのかとか、以前だったらどの程度の負担だったのか。それと地域差がありますよね。そういったところのデータも是非取って欲しいです。制度上良い点が多いとは思うんですけど、地域格差など患者さんが考える問題点を抽出して頂けると有難いです。 
 また、自治体によって治療に対して助成金等を導入されているところもあるので、どの自治体がどのくらい補助を出しているのか、そうしたことも調べて頂いて載せて頂ければ、出していない自治体へのプレッシャーになり、助成金が各地に広がることを促すかもしれません。その情報は皆さんが知りたいと思います。

『数年後の未来、多くの不妊治療当事者が笑顔で子供を産めるように』~2~

インタビュイープロフィール

慶應義塾大学名誉教授 生命の環境研究所所長

吉村 泰典