【不妊治療体験談】KANATA様*終わりの見えない不妊治療で見つけた希望
KANATA様に不妊治療体験談をお聞かせいただきました。
スタッフ:不妊治療の経歴を教えてください
2012年 32歳 治療開始
不妊の原因が不明とのことで、
タイミング法を数回ほど試してから、人工授精にステップアップ
2015年まで継続してチャレンジ
2016〜2017年
体外受精へのステップアップを勧められるが、既に通院で精神的に疲弊していたこと、治療期間私が充分な仕事ができず金銭的に厳しくなってきたこともあり、冷却期間としてフルタイムで集中して稼ぐために治療を休止
2018年 38歳 体外受精、顕微授精にステップアップ
以降6回の採卵、8回の移殖
2回の稽留流産
身体的精神的ダメージとコロナ禍に入り不妊治療中断
2021年 43歳 自然妊娠で出産
スタッフ:不妊治療を始めたきっかけは何ですか?
元々子どもの頃から生理不順で、結婚して3年経っても子どもができなかったため、治療を受けることにしました。
スタッフ:掛かった費用はいくらぐらいですか?
2012年から2015年
1年あたり約50〜100万円
2018年
約230万
2019年
約150万
※体外受精は助成を受けています。
スタッフ:不妊治療をしていて辛かったことはありますか?
•自己注射や膣剤など身体的に痛く、また精神的に孤独な取り組みが多く、辛さを誰にも理解されず精神が蝕まれていく感じが常にしていたこと。
•診察の度に高額の治療費が出ていくため、どんどんどんどんと出費が嵩んで貯金が減っていくのに、診察に融通のきく短期や短時間の仕事しか出来ず、更には何も結果を得られず、何のために治療を続けているのか?わからなくなり、絶望した気持ちになったこと。
スタッフ:パートナー様やご両親、ご友人、職場の方々との関係はどのような感じでしたか?
結婚してすぐに夫が関西から関東に転勤になったため、近くに親、親戚、そして友だちもいない環境になったため、夫以外には誰にも言わずに不妊治療をしていました。
物理的な距離もあり、親にも年に数回会うか会わないかだったので、あまり子どものことをしつこく指摘される機会がなかったことは、幸いだったと思います。
また、私よりも夫の方が不妊治療を続ける意向が強かったため、治療に対してネガティブな口出しをされることがなかったのも、治療を続けられた要因だと思います。
2018年に体外受精の治療を再開した際には、フルタイムで働いていた派遣先を辞めるつもりでしたが、女性の多い職場ということで、就業先が公にせず治療を続けながら働いてもいいと言ってくれました。ですが、やはり早退や欠席せざるを得ない日が多くなり、周りに迷惑をかけてしまうこと、そして両立は体力的にも厳しく、結局1年後退職することになりました。
スタッフ:これから不妊治療を始める方へのアドバイスはありますか?
身体のタイミングに合わせた頻繁な通院が必要なため、精神的な余裕と身体的な余裕は確保できるといいかと思います。
また、保険適用されるようになりますが、いつまで治療がかかるかわかりません。ある程度の出費の覚悟はいると思います。
スタッフ:改善して欲しい点はありますか?(例:クリニックにこうしてほしい、治療をしながらもっと自由に働ける職場がほしい等)
通っていた病院は体外受精のステップに進むまでは、主治医の指定が出来ませんでした。
そのため、毎回誰の診察になるかわからず、医師によってはエコーが凄く下手だったり、せっかく自己注射で育てたのに排卵のタイミングを見誤られたり、とにかく早口で捲し立てられ、質問をこちらからさせる隙を与えない高圧的な診察などもあり、毎回待ち時間も長い上に安心出来ない診察で疲弊していました。
病院を変えたかったのですが、車の運転が出来ない自分が家から通えて高度な治療をしてもらえる選択肢がその病院しかなく仕方なく通っていました。
体外受精にステップアップしてからは、毎回同じ先生が担当になり、丁寧に対応してもらえたため、その面のストレスは緩和されましたが、センシティブな治療なので、担当医師が指定できないのであれば、情報共有や診察方針の統一を病院で真剣に取り組んで欲しいです。
スタッフ:不妊治療の保険適用についてどう思われますか?(期待や改善点等あれば)
実際、私は診療費が負担で不妊治療を休まざるを得ませんでした。
子育て中の今、更にお金がかかるのに充分な蓄えが出来なかった上に、高齢出産で充分なキャリアも積めず、再就職も厳しくとても悩んでいます。
今でも不妊治療にかかった費用を考えると、その分少しでも残せていたら…と思います。
保険適用されることで、私の様な金銭面での辛さが少しでも緩和される人が増えることを望みます。
スタッフ:プレコンセプションケアについてどう思われますか?
実体験からして、とても重要なアプローチではないでしょうか?
私自身、稽留流産後にコロナ禍もあり、食事改善やヨガなどをし、一旦立ち止まり、心身を整える機会が出来たことが妊娠に繋がった様に思えるからです。
スタッフ:自由回答(思うこと・お伝えしたいこと)
不妊治療の辛さは当事者にしかわからないと思います。
私自身、結婚して子どもが出来るまで13年かかり、その間、他人からは心無い言葉を言われる機会もありました。
まだまだ結婚したら子どもが出来て当たり前と思う人は多いです。
そして、終わりがわからない治療で毎回落ち込んでいる訳にはいきません。
そんな時に、自分で強い心でどう切り替えられるかとても重要ではないでしょうか。